
僕は、読む前からこの表紙の「鴨(かも)」が気になって仕方ありませんでした。この鳥はどうやら幸せの象徴なんだそうです。でも、どうして吊るされているのか。生きているのか、死んでいるのか。それは、実はこの小説を読んでも分かりませんでした。
自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、”多様性を尊重する時代"にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
なかなか強烈な読書体験でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。読者の方々に感謝です。