久しぶりにゆっくりと読書を楽しみました。読んだのは佐藤正午さんの『熟柿(じゅくし)』です。最初の展開からホラー小説かと思いましたが、じっくりと読ませてくれる素敵な小説でした。最終章に向けて、涙で読めなくなってしまうくらい。
取り返しのつかないあの夜の過ちが、あったはずの平凡な人生を奪い去った。
本の雑誌が選ぶ2025年度上半期 ベスト10 1位
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。『鳩の撃退法』(山田風太郎賞受賞)『月の満ち欠け』(直木賞受賞)著者による最新長編小説。(Amazonの本紹介の引用です)
熟柿とは、熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つことをいうのだそうです。是非とも、読んでほしい小説です。読了感は最高です。