谷崎潤一郎が「食」に対して異常な執着をみせたということは噂に聞いたことがありますが、『食魔』とか言われたくはなかったと思います。この新書の帯のキャッチを見て吹きだしてしまいました。相当強烈ですよね~。
「その食い意地藝術的なり!」絶品から珍品まで、文豪の食と色の世界。
それでは、新潮新書から出ている『食魔 谷崎潤一郎』を紹介いたします。
その食い意地こそが、最大の魅力。「料理は藝術。美食は思想」という哲学を生涯貫き、粋な江戸前料理からハイカラな洋食、京都の割烹、本場の中華まで、この世のうまいものを食べ尽くした谷崎潤一郎。「食魔」とも称された美食経験は数多の名作に昇華され、食を通して人間の業を描いた。「悪い女ほどよく食べる」「蒟蒻とサドマゾ」「東西味くらべ」など、斬新なアングルで新たな魅力を掘り起こす、かつてない谷崎潤一郎論!
『食魔 谷崎潤一郎』内容紹介と章別構成
文豪を読み解く鍵は、「食」にあり!
「料理は藝術。美食は思想」という哲学を生涯貫き、粋な江戸前料理からハイカラな洋食、京都の割烹、本場の中華料理まで、この世のうまいものを食べ尽くした谷崎潤一郎。
「食魔」とも称された美食経験は数多の名作に昇華され、食を通して人間の業を描いた。「悪い女ほどよく食べる」「蒟蒻とサドマゾ」「東西味くらべ」など、斬新なアングルで新たな魅力を掘り起こす、かつてない谷崎潤一郎論!
【目次より】
第一章 谷崎文学と食の哲学
I 美食は芸術である
II 食の原風景
III 悪いやつほどよく食べる
IV 食とエロス
第二章 美食小説を読む
第三章 料理百花繚乱
I 東西味くらべ
II かくも美しき和食の世界
III 中華料理のエキゾチシズム
IV 洋食万歳
V 肉が食いたい!
VI 魚百態
第四章 グロテスクな食い物たち
第五章 谷崎潤一郎・食魔の生涯
I 味の原点、幼少期
II 一中、一高、帝大時代
III 東京・横浜時代
IV 阪神間時代
V 疎開時代
VI 京都時代
VII 熱海・湯河原時代の晩年
附録1 谷崎の愛した名店
附録2 谷崎潤一郎のレシピ――「陰翳礼讃」柿の葉鮨のつくり方
おわりに――「食魔」ノススメ
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