数年前、九州で結婚式があったのでチャンスと思い「金印」を見に出かけた。博多駅から出ているバスに乗ってかなりの時間ゆられて、博物館についた。子供のときに夢にまでみた「金印」が目も前に置いてあったが、こんなことを思った。
「これ、もしかしたら偽物じゃないの?」
例え本物であっても、本物の偽物ではないのかという疑念は拭えなかった。だって、そもそも田んぼ脇の水路から発見されたこと自体が怪しいじゃない。誰もそう思わないのかな?と思っていたら、面白い本を見つけた。
三浦佑之著『金印偽造事件 「漢委奴國王」のまぼろし』
この本は面白かった。僕の中の疑念を見事に表現してくれている本だった。
なんか「金印」って、おかしくない?そんな風に考えている人にオススメです!
『金印偽造事件』内容紹介。
一七八四年、志賀島(現在、福岡県)の農民・甚兵衛が田んぼの脇の水路から発見したとされ、日本史の教科書にも掲載されているあまりに有名な「金印」。これは、建武中元二年(五七年)に後漢の光武帝が同地にあった小国家の君主に与えた「漢委奴國王印」と同定されたが、じつは江戸時代の半ばに偽造された真っ赤な偽物だった。では、誰が、何の目的で造ったのか?鑑定人・亀井南冥を中心に、本居宣長、上田秋成など多くの歴史上の文化人の動向を検証し、スリリングに謎を解き明かす。
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