冬休みに、森博嗣先生の『やりがいのある仕事という幻想』を読んで驚いた。『すべてはFになる』に代表されるライトミステリーの気配は微塵もなく、深い考察というよりも、バッサリと切り捨てるような人生論を展開している。痛快過ぎるのだ。
僕の今の状態にとてもマッチしているので、のめり込んでしまった。
今回読んだ本は「孤独」がテーマだ。僕もよく「孤独」を感じる。もちろん悪いことではないと思っているが、風潮がそれを許さないようだ。しっかりと息が詰まるくらいに予定が入っていないと、悪だと揶揄するような気配がする。
「孤独」があるから、クリエイティブな思考ができる。友達に会いたいと思う。さらには、人を愛したいと思う。そういう全ての原動力のひとつが「孤独」というものなのだ。人類のかけがえのない財産のひとつなのだ。
ここまで文明が発展してきたのも「孤独」を根元にした社会的進歩があってこそなのだ。昔は「孤独」を感じるとお酒を飲んで本を読んで寝た。最近は歩き回るようにしている。「孤独」との付き合い方が人生を変えるし、作り上げるのだ。
そんな気持ちでこの本を読んでもらいたいと思う。
『孤独の価値』内容紹介。
人は、なぜ孤独を怖れるのか。多くは孤独が寂しいからだと言う。だが、寂しさはどんな嫌なことを貴方にもたらすだろう。それはマスコミがつくったステレオタイプの虚構の寂しさを、悪だと思わされているだけではないのか。現代人は〈絆〉を売り物にする商売にのせられ過剰に他者とつながりたがって〈絆の肥満〉状態だ。孤独とは、他者からの無視でも社会の拒絶でもない。社会と共生しながら、自分の思い描いた「自由」を生きることである。人間を苛む得体の知れない孤独感を、少しでも和らげるための画期的な人生論。
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