和合亮一さんは教師を続けながら、その後のフクシマの声を詩に紡いでいる鉄人だ。twitterで大ブレイクしたのですが、僕は彼の朗読のほうがはるかに力があって素敵だと思ってます。ぜひ、機会をみつけて体験していただきたいです。お勧めします。
大きな胡桃の木の横で育った彼が、傷んだフクシマの木を憂う彼が、立ち続ける姿に思う彼が、74本の木の姿を写真にして詩と共に世に送り出した本が出ましたので、紹介したいです。とっても力がありますので、元気が貰えますよ。
内容紹介
東日本大震災によって生活の根幹を揺さぶられ今なお呻吟する人々が多くいる。詩人は福島市の通りにあると言われる74本の街路樹の1本1本に、これからのたしかな生活のありかとは何なのかとたずねる。すると言葉が心の中で根を生やし、こぶを作り、幹を太くして枝を張って、葉を繁らせてくるのだった。
一つひとつの木に
話しかけたい
心のどこかから
知らない言葉があふれてくるから
一つひとつの枝に
もたれかかりたい
気持ちの奥から
知らないさびしさがこみあげてくるから
一つひとつの葉に
ささやきたい
涙の底に
知らない悲しみがあるから
一つひとつの木の影に
たずねてみたい
強く抱きとめてくれる
太い幹はどこにある