フミヒロの読書記録~良書で人生を変えよう~

良い本を読んで、思考と行動を変えましょう。僕の読んだ本と読みたいお勧め本を紹介していきます。

小野正嗣「九年前の祈り」

小野正嗣「九年前の祈り

九年前の祈り

期待の一冊「九年目の祈り」です。

今日は小野正嗣さんのインタビュー番組を聴いて読む気になりました。大分県の「リアス式海岸のある独特の地形を持つ土地」を舞台に繰り広げられる物語は、まさに人の人生そのもののように僕たちの心まで浸食してきそうです。

僕も三回ほど住む土地を変えました。同じ県内でしたけれど、住むところによってこれほど大きく「生き方」が変わってしまうのかと驚いてます。土地は僕たちの選択する方向を大きく左右する要因なんですよね。

小野正嗣さんが日本のガルシア・マルケスと呼ばれる日が来ることも十分想定されますので、しっかりこの本を押さえておいて損はないと思います。

内容紹介

 

三十五になるさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった──。
九年の時を経て重なり合う二人の女性の思い。痛みと優しさに満ちた〈母と子〉の物語。

筆者紹介

 

大分県蒲江町(現佐伯市)出身。大分県立佐伯鶴城高等学校から一浪した後、東京大学文科I類に入学するも法学部には進まず、教養学部比較日本文化論専攻に進学、卒業。同大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。マリーズ・コンデを論じた博士論文でパリ第8大学Ph.D

1996年新潮学生小説コンクールでデビュー。2001年、「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞受賞。2002年、『にぎやかな湾に背負われた船』で第15回三島由紀夫賞受賞。2003年、「水死人の帰還」で第128回芥川龍之介賞候補。2006年に東京大学教養学部助手、2007年明治学院大学文学部専任講師に就任(現代フランス語圏文学)。

2008年、「マイクロバス」で第139回芥川龍之介賞候補。2012年から朝日新聞書評委員。2013年、「獅子渡り鼻」で第148回芥川龍之介賞候補、明治学院大学文学部准教授。同年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞し、『獅子渡り鼻』で第35回野間文芸新人賞候補。2014年、立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授。2015年、「九年前の祈り」で第152回芥川龍之介賞受賞

九年前の祈り

九年前の祈り