フミヒロの読書記録~良書で人生を変えよう~

良い本を読んで、思考と行動を変えましょう。僕の読んだ本と読みたいお勧め本を紹介していきます。

井村雅代「教える力」~私はなぜ中国チームのコーチになったのか~

教える力―私はなぜ中国チームのコーチになったのか

井村雅代さんの「教える力」を読みました。必ず結果を出す指導論、40年間の波乱のシンクロコーチ人生の全てを語った本だそうですので、期待して読みましたが「暴露本」なのかな?と思いましたが違いました。

この人、中国チームのコーチになってかなり叩かれたんでしょうね。僕も報道でしか知りませんが、電撃移籍みたいな取扱いでしたからね。これからシンクロを見るときに楽しく観戦することが出来ると思います。

では、章別構成です。

章別構成(目次)

第一章 「裏切り者」と呼ばれて
第二章 新天地
第三章 メダルを取るために来た
第四章 私はコーチがしたいんです
第五章 勝つための強いこだわり
第六章 誰かの役に立つ人でありたい
第七章 再び、中国へ
第八章 選手を育てる、コーチを育てる

教える力―私はなぜ中国チームのコーチになったのか

1年半でシンクロ後進国にメダルを取らせた、必ず結果を出す指導の極意。日本のシンクロを牽引し、結果を出し続けた著者が、オファーを受けて単身中国へ。“国賊”と批判されながらも渡中したのはなぜか。その舞台裏を初めて明かした。そして、言葉や習慣の壁を越えて、どんな状況でも選手たちを正しい方向へと導いていく、経験に裏打ちされた指導論とは。親、教育者、管理職も必読の一冊。

それでは、僕の引っ掛かりを3カ所ピックアップします。

1、選手は指導者を試す。

私、練習しながらいつも思うのは「選手に試されている」という事なんです。(中略)上に立つ者は、下の者に試されて当然なの。選手から試されなくなるまでが、コーチの闘いなんです。

僕もここはとっても共感します。僕も上司をいつも試していたように思いますし、今は部下に試されているように思います。「こんな相談をしたら、一体どう返事をしてくれるのか」みんな不安なんですよね。

でも、実は上司は毎日部下を試しているのですからここはお互い様なんです。まれに「俺を試しているのか?」みたいな発言をする人もいますが、自分の成長のためにもしっかり試されようではありませんか。

この部分をしっかりと軸を持って立ち向かわないと信頼関係は構築出来ません。これは、家庭でも同じです。子供はいつも親を試して、親は子を試しているのです。そう考えたら、気は抜けないし関係も変わってくるかも知れませんよ。

2、プレッシャーの対処法

「眠れなかったら寝なきゃいい」と思っています。不眠症なんて「眠れなかったらどうしよう?」と余計な事を考えるから、ますます眠れなくなるんですよ。身体がほんとに要求したら自然に眠れるんだから、「眠くならないうちに、起きていればいいんだ」と思う事にしているの。

プレッシャーを感じたらどうしたらいいのか?それは、感じたらいいし緊張したら良いと僕も思うようにしています。失敗したらどうしよう?それは失敗したらいいしリカバリーの方が大切だと思ってます。

どうしようかオロオロする時間がもったいないくらいです。緊張しなくてはならないような舞台に立てたことだけでも幸せで、こんなチャンスを掴めてラッキー。失敗して当然くらいに思うようにしているんです。

これが僕のプレッシャー対処法です。きっと井村さんの対処法も同じような考え方だと思います。舞台のスケールは違いますねどね。なるようにしかならないこと・・・結構多いですからね。

水着で見せる

水着は選手たちにとって「戦闘服」です。だから絶対におろそかにできないものなの。ローマの世界選手権で奥野が泳いだ『夜叉の舞』のときは、生地の染から考えオリジナル・デザインの水着を作りました。

戦闘服だから大事?僕はちょっと引っ掛かりました。そうではなくここ一番で成果を100%発揮したいから大事にしたいという意味なんでしょうね。でも、それならば普段着も同じように考えるべきですね。

自分という個性を100%見せたいならば、初対面の人に印象付ける意味でも着ている物って大事ですよね。僕も相手にどんな風に見られたいかを意識して自分作りをしたいです。髪形も同系列にありますね。

まとめ

この本を読むと、井村さんの成功体験よりも「自分に照らし合わせたときにどうか?」という観点のほうが大事に思えます。名コーチによる指導法の極意は、とっても基本的なことをちゃんとやることなのかも知れません。

シンクロの舞台裏を垣間見ることが出来たことで、面白い本でした。

 

教える力―私はなぜ中国チームのコーチになったのか

教える力―私はなぜ中国チームのコーチになったのか