フミヒロの読書記録~良書で人生を変えよう~

良い本を読んで、思考と行動を変えましょう。僕の読んだ本と読みたいお勧め本を紹介していきます。

トマ・ピケティ「21世紀の資本」

トマ・ピケティ「21世紀の資本

格差の仕組みを実証する「21世紀の資本

英語版が出た途端に米英の経済論壇に一大センセーションを引き起こし、邦訳本も飛ぶように売れている話題の本です。名古屋地区の先月の売り上げランキングも上位に顔御出していました。中央はもっと早かったかも知れませんね。

資本から得られる収益率が経済成長率を上回るとき、国民所得に占める資本の取り分は増え、資本と所得の格差は拡大します。ただし、格差は制度、政策や歴史の産物なので、資本収益率と経済成長率の関係は時と場合によって変わりうるものです。

歴史をひも解くと、格差の動きがよくわかります。今後格差は世界的にさらなる拡大が予想されます。格差は自然に解消されないから、それを防ぐには政策が必要になるのです。著者は世界的な累進的資本税をこの本で提唱しているのです。

 

21世紀の資本

21世紀の『資本論』に成りゆるか?

どうしても『資本論』連想させるタイトルですよね。僕もそのことが頭から離れませんでした。しかしながら、本著は思想書ではないし、反経済学、反経済成長の書では決してありません。そんな風に受け止めるのは間違いです。

本書の本領はデータの地道な収集と分析なのです。これは抽象的な理論よりも実証を重んじる最近の経済学の動向を反映しています。また、著書は市場経済を尊重し、経済成長は格差を縮小するとしています。

日本で良く売れているのは格差に対する問題意識が高い表れでしょう。しかしながら、格差状況は国によって異なります。米国で最も著しく、欧州・北欧諸国ではまだそれほどでもないのです。現状は日本も欧州諸国に似ている面もありますね。

世界的な大論争に発展していくのだろうか?

 

本書は今後も続く世界的大論争の一幕であり、決して最終回答ではないと言われてます。しかし、この本の業績は偉大であり、今後の格差および経済についての論争にこの本は無視できないと思います。

年末に世界の行く末を思い巡らしたい人に格好の贈り物と言える本です♪

 

21世紀の資本

21世紀の資本

 

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