この夏休みに、良い本を見つけたのでこの読書ブログで紹介させていただきますね。製造業で働く全ての人に読んで欲しい本です。日本の製造業って、どうなっていくんだろう?そんな不安に答えてくれるかも知れませんよ。
先日、新聞を読んでいたら後継者がいなくて廃業する中小の製造業が後を絶たないと書いてありました。その数は年に何万社にも及ぶという話です。自分の子供に後を継がせたくない会社って、一体どういうことなんでしょうか?
「親会社からの値下げ要求や締め付けが厳しくて経営が成り立たない。こんな苦しい状態を自分の子供に味あわせたくない。」というのが本音みたいです。そうであるならば、日本の製造業は絶望的でしょうね。
しかし、日本の多くの人の雇用を支える製造業がそんなことで良いのでしょうか?一部の大企業だけが生き残るなんてことは、社会としてありえないですからね。まだまだ僕たちにもやれることはたくさんあると思いますよ。
そんな製造業の根源である「システム」「現場」「改善力」という切り口から町工場を変えようとした構想と実践が詰まった本です。
「システム」×「現場」×「改善力」から生まれた「誰にも真似できない」IoTシステム
筆者が代表を務める「i Smart Technologies株式会社」が開発した、
少ない初期投資で済み、古い設備でも導入でき、導入方法も簡単な
「製造ライン遠隔モニタリングシステム」について、
開発のきっかけからシステム成熟過程の詳細、そして本システムが企業全体に与える好影響など、i Smart Technologies株式会社の進める「Small Factory 4.0」に関するすべてを網羅した。
Small Factory 4.0 第四次「町工場」革命を目指せ! IоTの活用により、たった3年で「未来のファクトリー」となった町工場の構想と実践のすべて
- 作者: 木村哲也
- 出版社/メーカー: 三恵社
- 発売日: 2018/08/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「Factory 4.0」という言葉がある。「第四次産業革命」と訳される。第一次は製造業に水や蒸気を機械の動力源に利用したこと、第二次は電気の利用による大量生産、第三次はコンピュータ制御による生産工程の自動化を指す。第四次は「製造業のスマート化」である。現在、先進各国だけでなく、世界中の国々がこの「Factory 4.0」の実現に取り組んでいる。
「スマート化」というと大企業が大きな予算をかけて取り組むべき問題だと思われがちである。しかし中小の町工場こそ「厳しい生存競争を生き抜くため」にこの革命が必要となる。実は「革命」だと大げさな言葉を掲げているが、簡単に言えば「生産ラインのIоT化による、生産性の向上」なのである。著者はこれを「Small Factory 4.0」と名付けた。本書タイトルの由来である。
著者は2013年にトヨタ自動車から旭鉄工に転籍。以来、全社を挙げてこの課題に取り組み、1少ない初期投資で済み、2古い設備でも導入でき、3導入方法も簡単な「製造ライン遠隔モニタリングシステム」を完成。さらに3つのコンセプトを変えることなく、最先端技術を応用してシステムのブラッシュアップを強力に推し進めた。
このようにして完成したシステムと運用ノウハウの提供を目的とした「i Smart Technologies株式会社」を設立し、国内100社以上にサービス提供をしている。
その実績が評価され、2018年に経済産業省主催「第7回 ものづくり日本大賞 特別賞」(ものづくり+企業部門)を授与。さらに同年、タイ王国工業省との間で「IoTモニタリング技術導入に関する覚書を締結するに至った。
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